ながれぼしのじゆうちょう

関西から出てきた次男坊7人組の青い人がすきなひとです

宇宙を駆けるよだかを見てみた(心が赴くままに徒然編)

 

こんばんは(∩ノノ_☆)⊃━☆゚.*・。゚お立ち寄りいただき、読んでいただきましてありがとうございます!

 

すっかり秋めいてきましたね。秋といえば食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋つーことで、芸術鑑賞です!←?

 

タイトルの通り、8月1日に世界同時配信された「宇宙を駆けるよだか」。配信から3ヶ月ほど経過しました。見た方も大勢いらっしゃると思います。まだ見れてない方もいるのかな?Netflixは登録してから1ヶ月は無料で見れますので、毎月お金払って見るのが大変だわって方はぜひその1ヶ月のうちに画面擦り切れるまで目に焼き付けて下さい。

 

流星くんと同じで一気見して気づいたら朝の4時を回ろうとしてたんですけど、それほどまでに世界観に惹きつけられました。めちゃくちゃ考えさせられるし、誰しも感じたことのある感情が混ざった作品だと思います。何回でも言いますけど、この作品を見るためだけに千円払っても惜しくないと思ってます。ネタバレしないつもりでいますけど、ネタバレ挟まないとわからないこともあるので、それでもいい方はぜひスクロール下さいまし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国民的同級生の重岡大毅がこんなに爽やかに片思いをする男子高校生役を演じてていいのだろうか。彼のポテンシャルはすごいです。溺れるナイフの大友くんだったときも「重岡大毅」ではなくナチュラルに「大友勝利」でした。今回の宇宙を駆けるよだかの火賀くんも単純に重岡大毅ではなく「火賀俊平」そのものでした。

そして神ちゃん。久しぶりに神山智洋の画面の中の演技を見ました。最後に神ちゃんの演技を見たのは今では本当に誰も知らないかもしれない誰も知らないJ学園が最後だったと記憶してます。いや、もしかしたら神ちゃんが出てた話は見てなくて、サムライ転校生か、いつかの友情部、夏とかいう超懐かしのドラマ(と呼んでいいのかな)だったかもしれません。*1あれ、わたしの知ってる神ちゃんなのかなと思うくらい神山智洋でした。

火賀俊平と水本公史郎。名前の通り正反対な二人のコントラストはきっと重岡大毅神山智洋の距離感ではないと醸し出せない雰囲気がありました。火賀くんとしろちゃんはこの二人にしかできなかったわけで。

清原果耶ちゃん演じる小日向あゆみ、富田望生ちゃん演じる海根然子。最初は申し訳ないんですけど二人のことは存じ上げていませんでした。どこの誰、何に出てる人、ウィキペディアにお世話になっても二人のことは全く分かりませんでした。

どうせ見てもお遊戯会みたいなドラマにしかならないんだろうなと思ってたんですよね。でも、飽き性で黙って映画やドラマを黙って見れないわたしがiPadの前から動けませんでした。Netflixの中に収めておくには勿体なさすぎる作品なんだけど、下手に地上波でやるよりもお金を払って見ることに何千倍の価値があると思います。   

 

 

可愛くて明るく、友達も多い小日向あゆみ。優しくておちゃらけてクラスのムードメーカーな火賀俊平。クールで頭がよくて冷静な水本公史郎。暗くて見た目ま良いとはいえない後ろ向きな海根然子。

この4人が主人公なわけなんですけど、4人ともの気持ちがわかりすぎてとても辛かったです。

「人は中身が大事」ですが、「人は見た目で判断される」なんていうのはあながち間違いではないと思います。人の第一印象は出会って6秒で決まると聞きました。そしたら、あゆみちゃんと海根さんの容姿で「どちらが好印象ですか?」と聞かれたら、あゆみちゃんを選ぶ方がほとんどだと思います。どんなに海根さんが優しくて、明るくても。

それはあゆみちゃんの元々の容姿の良さも関係あるし、中身がとても明るくてポジティブだからますます魅力が容姿にも表れてるんです。それに対して海根さんは?ネガテイブで何もかも周りのせいにして自分が変わる努力をしたの?それが容姿にも表れてると思うんです。考え方を変えるなんて難しいです。でも痩せるとか、髪型を変えるとかいう行動はできたはずです。

 

あゆみちゃんはほんっとうに一点の曇りもない純粋で明るく、誰からも愛されるような性格でおまけに顔も可愛いし、細くて背も高いし、羨ましいくらい。それはあゆみちゃんと海根さんが入れ替わったときにも出ていて、あゆみちゃん(容姿は海根さん)はこんな状況でも明るくポジティブに明るく考えて、どうやったらいいかを自分で答えを導き出そうとしている。どんなときでも前向きでみんなを巻き込む力があった。でもポジティブはポジティブなりにみんなにわからない辛さもあったと思います。

海根さん(容姿はあゆみちゃん)は、顔も体も声も友達も、そしてしろちゃんを、小日向あゆみになって全て手に入れただけに満足していて、小日向あゆみになれば周囲の対応も変わると思っていた。あゆみちゃんの周りに人がいたのはあゆみちゃんの容姿だけではなくて、あゆみちゃんの周りへの配慮やポジティブな思考が周りを巻き込んでいたことに海根さんは気づいていなかった。せっかくあゆみちゃんになっても海根然子からは抜けられなかった。海根然子の考え、生き方が小日向あゆみになっても滲み出てたら、海根然子の容姿でもみんなの中心になっていく小日向あゆみを見ている海根さん(容姿はあゆみちゃん)はとてつもなくおぞましい顔をしていたから。

 

でも、わたしはあゆみちゃんよりも海根さんの気持ちの方がすごい理解できて。「可愛くて羨ましい」「あんな容姿ならいい」「周りに人がいていいな」とかそう人を羨ましく思うのは当たり前のことだと思うんです。だからあゆみちゃんみたいな人を見たら少なからず羨ましいと思います。

ただ買い出しをお願いしただけであしらわれたり、勘違いで言いがかりをされたり、そんなことをされたら生きるもの嫌になって、消えてしまいたくなって、でもそれも怖いからできなくて、入れ替わる方法を知ったら自分もあゆみちゃんのような子に生まれ変わりたいと命をかけても思います。いつでもポジティブに考えられるような人が対極にいる自分は、容姿が良ければポジティブに考えられるかなって一縷の望みみたいな部分もあるので。

そんな海根さんの希望の光はしろちゃんで、そんなしろちゃんはあゆみちゃんと付き合ったなんて聞いたらやっぱり光を失ったような、希望が消えたようなそんな気持ちになるよね。だから海根さんの気持ちが分かるんです。

 

「外見が変わればきっと内面も変われる」誰もそう思うと思うんです。「顔が可愛ければ友達も多くできたかもしれない」「スタイルが良ければあの洋服も着こなしてたかもしれない」タラレバですが、きっとそう思うはず。

だけど「今の海根さんが一番可愛い」とか、「この姿で出会っていても同じこと言ってくれたかな?」の問いに「誰よりも先にあゆみの良さに気づけてたかもな」とか、「外見は変わってしまっても中身が変わらないんだから」とか、全然なんともない何気ない一言が結構辛辣だったりするんですよね。

クラスのみんなから冷やかされて本音を言った加賀くんは「今の海根さんが一番可愛い」のは中身があゆみちゃんだったからそう言ったのかもしれません。だけどみんなもそれに否定的なことを言うわけでもなかった。

逆に容姿も完璧、自分の欲しいものは手に入れても中身は変わらない海根さんにはぐさっとくる何気ない「外見は変わってしまっても中身は変わらないだから」のしろちゃんの一言が決定打になってしまいましたよね。しろちゃんは「憎い火賀の外見になっても、中身は俺だから変わらないで好きでいて」の意だった言葉が海根さんにとってはナイフのように突き刺さる残酷な言葉だったでしょう。

 

海根さんの性格はお母さん(というか家庭環境?)のせいもあるし、あゆみちゃんがこう育ったのは親のおかげなのかもしれません。親のせい、親のおかげ。可愛くて容姿に恵まれてるけど性格は後ろ向きで歪んでいる。ポジティブで誰からも愛されるけど決して恵まれた容姿ではない。

言い方ひとつで印象を変えられることも確かです。

外見だけが全てではないけど、外見かりの印象も少なからず関係はしてきます。

 

あゆみちゃんが必死に自分の身体を取り戻そうとしたのは海根然子の外見に嫌悪感があったからではないと思います。最初は「自分」が目の前にいて、心の「自分」がここにいることを受け入れられなかったからだと思います。でも最終的に海根然子の外見でもあゆみちゃんは「小日向あゆみ」のときと同じ、クラスの中心にいたお友達に囲まれたあゆみちゃんでした。

逆に小日向あゆみを手に入れた海根さんは、だんだんと独りになってしまった。小日向あゆみになれば全て上手くいくと過信してた部分もあったからです。結局、小日向あゆみの外見になっても手に入れられなかったことは、明るく前向きな性格と、友達としろちゃんでした。

あゆみちゃんと入れ替わってみて、海根さんはどのくらいの幸せを感じられたのかな?海根さんはこのままあゆみちゃんでいるときっと「海根然子」でいたときよりも消えたいと思ったと思います。自分の望む容姿になっても報われない自分は、生きる価値がないと思うから。

 

火賀くんはしろちゃんから、「あゆみちゃんに告白する」って聞いたときどう思ったんだろう。俺も好きなのにと思った反面、自分の幸せよりも周りの幸せを優先したあたり、リア恋枠に0.1秒で滑り込んできましたよね。

しろちゃんは、あんな憎まれ役を買って出て、きっと辛かったでしょう。でもしろちゃんも自分の幸せよりも周りの幸せを選んだ。みんなとっても優しくて心の暖かい人たちですよね。

 

きっと人それぞれ幸せの感じ方は違うのでどの程度で幸せを感じるかも人それぞれ。だから他人の幸せをそのままトレースするなんて難しいんですよね。どう頑張っても自分は自分、他人は他人なんだから。

 

入れ替わりたい人の前で飛び降り自殺を図ったらそのまま入れ替われるなんて非現実すぎて想像の世界でしかありません。だけど、あゆみちゃん、海根さん、火賀くん、しろちゃんの気持ちは誰もが経験したことがあると思います。だから非現実的でも現実味を帯びたストーリーなんですよね。すごいです。

 

結局人は顔ではなくて中身なんだって、気付かされたドラマでした。

人は生まれながらにして、運命を持ち合わせてると思うんです。それはきっと変えられるんですよね。どんな容姿に生まれてこようとも、どんな家族構成、家庭環境だろうと、友人関係はどうだろうと、もう決まってしまって揺るがないものはなくて、自分の力でどうにでも変えることができるはず。誰かを憎む前に、誰かを恨む前に、誰かを羨ましく前に、誰かを妬む前に、自分ができる努力を、知恵を、最大限に生かすことができればきっと「自分」で生まれ来たことになんの後悔もないと思うんです。だって、自分はこの世に自分しかいないのだから。

 

たかだか漫画の実写、ましてやゴールデンでも深夜枠でもならない有料サイトのドラマなんて思って甘く見たら大怪我しました。

 

みなさんもぜひ、見てみて下さい。

 

 

 

 

 

 

*1:自担以外のドラマや映画はほんとに気の向いたときにしか見なくてすみません。